年次報告書の基本的な内容について印刷のプロが詳しく紹介します!


「年次報告書を作成する必要があるが、作り方が分からない。」
このようにお困りの方はいらっしゃいませんか。
そもそも年次報告書は何のためにあるのか、何を記せばいいのか、これら基本的なところが分からないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、年次報告書の基本について印刷のプロが紹介します。

□年次報告書とは

そもそも年次報告書とはどのようなものかが分からなければ、いい年次報告書は作れません。
そこで、年次報告書とは何かを解説します。

年次報告書は、年度末に投資家や金融機関に配布する冊子のことを指します。
必ず作る必要があるわけではなく、作っていないという企業も存在します。
しかし、年次報告書を作って情報を公開している企業の方が信頼できるという方もいらっしゃるでしょう。

法律などで作成が義務付けられていないので、作り方やその内容は企業により異なります。
作り方が決まっていない分、作る側にとっては骨の折れる作業でしょう。
また、会社の性格や信頼度が年次報告書で判断されることもあるので、注意して作成しましょう。

□年次報告書の内容

年次報告書を作るにあたって、最初に知る必要があるのがその内容についてです。
作り方は自由なため、何を掲載しても、掲載しなくても問題はありませんが、基本的に記載されている内容はあります。
まずは基本的な内容を押さえてからでないと個性も発揮できません。
ここでは、基本的に記載されている内容について、詳しく紹介します。

年次報告書に記載されている内容は、大きく分けて4つです。
それぞれ、企業の事業内容、財務情報、今後の戦略、企業として伝えたいことの4種類です。
多くの年次報告書にはこの4つの内容が記載されています。

*事業内容

当たり前のようですが、事業内容については必ず記載しておきましょう。
どのような事業を行っている企業の報告書かが分からなければ、企業についてより知ってもらうことは難しいでしょう。
事業内容がどんどん変わっていくという企業も多いでしょう。
その場合は特に、今どのような事業を行っているのかを記載しておきましょう。

カラーや図表を用いて紹介できるため、さまざまな手法を用いて事業内容をアピールできます。
行っている事業の中でも、どこに強みがあり、どこに力を入れているのかなど、細かいところまで紹介しましょう。

*財務情報

年次報告書を読む方の目的の多くは、投資目的でしょう。
投資をする際には、企業の財務がどうなっているかということが一番気になる点となります。
年次報告書は、決済短信といった必要事項を全て載せる必要があるものとは異なり、記載内容は企業により自由に決められます。

そのため、企業が投資家に対してアピールしたい部分を中心に記載できるのです。
このページにも、図や表をふんだんに用いて、投資家に対して積極的にアピールしましょう。

*今後の経営戦略

投資では、企業の今の状態の把握も大切ですが、それと同じくらい今後どうなっていくかも重視されます。
そのため、投資家へのアピールの意味も込めて、今後どのような経営戦略を練っていて、その達成のためにどんなことをしようとしているのかを詳しく記載しておきましょう。

*企業として伝えたいこと

これまで、事業内容、財務情報、経営戦略についてご紹介しました。
基本的に、これらを記載しておけば、企業については十分知ってもらえます。
しかし、どのような事業を行っていて、今の財務状況がどうで、これからどうしていきたいかということが分かっても、企業の個性は示せません。
そのため、企業の個性を示すために、これら以外の伝えたいことを記載しましょう。

例えば、社員満足度や女性管理職の比率、SDGs関連で取り組んでいる内容など、企業としてアピールできる取り組みがあるかと思います。
この機会に積極的にアピールしておきましょう。

□年次報告書を作る際のポイント

これまで、年次報告書に関する基本的な内容を紹介しました。
これからは、年次報告書を作る際に押さえておきたいポイントについて紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

まずは、読者や目的を明確にすることです。
年次報告書は多くの場合投資家が見る資料です。
しかし、協働する企業や、会員、報道機関に向けて作ることもあるでしょう。
それぞれターゲットが異なるため、読みたい内容も異なります。
ターゲットである読者や、作る目的がはっきりしている場合には、その目的に沿って作成しましょう。

また、団体名と報告年次は分かりやすいところに記載しておきましょう。
当たり前のことですが、中身に気を取られるあまり、見落としてしまう場合があります。
読み手にとって読みやすい冊子にするためにも、団体名と報告年次は分かりやすいところに記載しておきましょう。

□まとめ

今回は、年次報告書の基本的な内容についてご紹介しました。
実際に年次報告書を作る際には、ターゲットがどこにあって、企業として何をアピールしていきたいかをしっかり考えて作成しましょう。