学会発表原稿の作り方とは?構成のコツや注意点も紹介します!


分かりやすい学会発表を行うためには、原稿の構成が重要です。

しかし、どうすればわかりやすい原稿を作れるのか、分からない方もいらっしゃるでしょう。
今回は分かりやすい学会発表原稿の作り方とコツ、注意点について紹介します。

□分かりやすい学会発表原稿の作り方とは?

分かりやすい学会発表原稿を作るには、まず全体の流れを十分検討してから着手する方法がおすすめです。

勢いでスライドや資料を作り始めてしまうと、全体の論理の整合性がとれなくなってしまったり、展開が不自然になってしまったりする可能性があります。
そうなると大幅な修正が必要になるため、まずは全体の流れを検討するようにしましょう。

また分かりやすい学会発表原稿を作る上で、聞き手の知識レベルを意識しながら作ることが重要になります。
学会発表は専門用語が使われやすい傾向にあり、どうしても話が専門的になってしまいがちです。

学会発表のテーマによっては、専門外の方が多く訪れているケースもあります。
そのため学会発表原稿を作成する前に聞き手の専門性を確認し、聞き手の知識レベルに合わせた説明を考えましょう。

もし聞き手に専門的知識が少ないと予想できる場合には、専門用語の説明を長めにとって、発表内容が伝わるように工夫しましょう。

□学会発表原稿の構成ポイントについて

*構成のポイントについて

1つ目は、導入部分では抽象から具体に徐々に変化させることです。
研究の背景や目的を紹介する際にはその研究の全体像を見せるため、抽象的な話から始めます。

そこから研究分野の課題やテーマ設定、研究方法などを繋いでいく中で、徐々に自分の研究テーマの範囲を狭めていき、より具体化させていきます。
こうすることで、聞き手が研究発表を構造的に理解しやすくなります。

2つ目は結果と考察の部分で、導入部とは逆に抽象度を上げていくことです。
この部分ではまず結論を述べて聞き手と研究のゴールを共有し、そのあとに具体的な結果を話します。

具体的な結果の説明が終わったら、抽象度の高い内容を説明していきます。
具体的には今後の展望や課題、補足情報などです。

以上のように内容の具体と抽象を意識すると、論理の飛躍を防げ、聞き手にとって分かりやすい構成にできます。

*学会発表原稿の例

ここでは、典型的な学会発表原稿の例を紹介します。
構成する際の参考にしてみてください。

最初に書くと良いのが、研究背景です。
研究背景では、
・明らかになっていること
・明らかになっていないこと
を明確に提示し、先行研究の課題と併せて説明すると良いでしょう。

次に研究目的を説明します。
研究背景で紹介した課題について、解決にはどんな意義があるのか、自分は何をどこまで明らかにする予定なのか、このパートで説明するようにしましょう。

この際研究分野によっては、自分の立てた仮説やモデルに基づいた研究の必要性を示すことをおすすめします。

3つ目に研究の方法を説明します。
先ほど紹介した研究目的を、どのような方法で達成するのかについて、具体的に説明します。

特に調査や実験を伴う研究の場合は、条件や分析手順などについて、なるべく詳細まで説明すると良いとされています。
もし発表時間に余裕がある場合は、方法を詳しく説明することに時間をかけましょう。

4つ目に研究結果を説明します。
このパートでは、研究を通じて得られたデータを提示します。
データはグラフや図表、シミュレーション動画、録音音声など、データに合わせた表現方法を使って、聞き手に伝わるように構成しましょう。

5つ目に考察を記載します。
最初に仮説を立てたのであれば、研究を通じてその仮説が支持できるのか、それとも棄却するのか、伝えるようにしましょう。

最後に結論を記載します。
研究で明らかになったことを端的にまとめ、自分の提案や主張、今後の研究における課題などにも触れると良いでしょう。
結論の内容次第で、客観性や説得力を持たせることができます。

□学会発表原稿の注意点について

最後に、学会発表原稿を作る上での注意点を紹介します。

1つ目は、文体を統一することです。
例えば「ですます調」と「言い切り」が混在していると、聞き手は混乱してしまいます。
そのため自分なりに文体のルールを作り、ルールに沿った文体で統一すると良いでしょう。

2つ目はフォントの統一です。
日本語はこのフォント、英語はあのフォントなど、言語ごとに統一したフォントを使いましょう。
全角・半角も、統一するようにしてください。

同様にフォントサイズも3種類までにとどめましょう。
強調したいからという理由でフォントを大きくするのは構いませんが、極端に大きいフォントを使ったり、あまりに様々なサイズのフォントを使ったりすると、見にくい原稿になってしまいます。

□まとめ

今回は分かりやすい学会発表原稿の作り方と構成のコツ・注意点について紹介しました。
原稿を作る際の参考にしてみてください。
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