書籍を作りたい方に向けて原稿の種類や作成方法を紹介します


書籍の作成となれば、全体の流れを構想してから原稿の作成に取りかかると思います。
しかし、原稿にはどのような種類があり、そもそもどのように原稿を作ればいいのか分からない方もたくさんいらっしゃると思います。

そこで今回は、書籍の原稿の種類や作成の流れ、そのポイントをご紹介します。

□書籍の原稿の種類は大きく4つある

まず、書籍の原稿にはどのような種類があるかを知っておくことが大切です。
原稿の種類は大きく4つあるので、順番にご紹介します。

1つ目は、テキスト原稿です。
テキスト原稿とは、Wordや一太郎などを使って作成した文章データのことです。
出版社はこのテキスト原稿に対して、レイアウト作業や編集作業をして、出版をするという流れで本が完成します。
テキスト原稿は、段を揃えたり、ページ数を入れたりするレイアウト作業をしない原稿なので、簡単に原稿を作成できます。

2つ目は、完全データ原稿です。
完全データ原稿とは、テキスト原稿と同様に、Wordや一太郎などを使って作成した文章データのことですが、そのまま印刷できる形の文章データをさします。
出版社側が編集作業などを行わないので、そういった費用がかからないのがメリットです。
しかし、誤ったデータなどもそのまま印刷されるので要注意です。
ソフトを使いこなせる方には、おすすめの原稿の形です。

3つ目は、手書き原稿です。
手書き原稿とは、文字通り、ペンを使って手で書いた原稿のことです。
これは、紙やペンに特に制限はありませんので、ソフトが使えない方におすすめです。
しかし、出版社はテキスト原稿にするために文字起こし作業を行いますが、その費用は別途でかかります。

4つ目は、ダイレクト原稿です。
ダイレクト原稿とは、原稿作成者自身がプリントアウトした原稿のことを言います。
この原稿をPDF化して出版社に持ち込むと、出版社はページ順に整理して印刷をします。

□書籍原稿作成の流れ

ここでは、書籍の原稿作成はどういう流れで出版まで進むのかについてご紹介します。

*書籍の内容や仕様を決める

まずは、書籍の原稿にはどういったことを書くかを決める必要があります。
誰に向けて、何を伝えるのかという軸をきちんと決めましょう。

その後に本の仕様を決めます。
例えば、持ち歩きを想定するのであればソフトカバーの仕様にする方が良いでしょう。
このように、きちんとターゲットや内容の軸を決めた後に、本の仕様を考えるとベターです。

*印刷できる形にする

次のステップは、原稿を印刷できる形に持っていくことです。
大きく以下の3つの作業があります。
・編集
・校正
・組版(くみはん)

編集作業は、ここでは「提案」に近い意味合いです。
出版社側は例えば、内容の位置をずらすことや、どの話題に厚みを持たせた方が良いかなどを執筆者に提案します。
出版社と著者で、原稿をより良い内容にするための作業です。

校正作業は、誤字脱字はもちろん、情報が正確かどうかの裏付けやチェックをする作業です。
正しい内容を伝えるために、欠かせない作業です。

これらの作業と並行して、組版作業を行います。
これは持ち込まれた原稿に対し、実際に出版する書籍の形に配置する作業で、読者にいかに手にとってもらうかという視点で工夫をする作業です。
例えば、読者を想定して適切な文字のサイズにしたり、デザインや挿絵などを効果的に盛り込んだりします。

この一連の作業は何度も繰り返されるので、半年以上かかるのが一般的です。

*実際に印刷する

このような作業が完了したら、書籍の中身は完成し、印刷のステップに移ります。
いきなり本が完成するのではなく、白焼きというものが届きます。
これは、本として一冊にまとめられる前のもので、誤字脱字の最終チェックのために届けられます。
この確認が終わると、印刷、製本という流れで書籍が完成です。

□伝わりやすい原稿を書くポイント

書籍という形で情報を伝える際に重要なのは、「その内容が伝わりやすいかどうか」です。
ここでは、伝わりやすい原稿を書くポイントを5つご紹介します。

1つ目のポイントは、適切な長さの一文にすることです。
言いたいことが分かりづらくなってしまうので、長くなる場合は複数の文に分けてみたり、箇条書きを使ったりするなどの工夫をしましょう。

2つ目のポイントは、表記を統一することです。
「例えば」と「たとえば」のように、同じ言葉でも表記が違ったり、話し言葉と書き言葉が混じったりしていないかどうかという点に注意しましょう。

3つ目のポイントは、主語や目的語に気を配ることです。
日本語は、文章の一部を省略しても意味が伝わる言語で、特に主語や目的語は省略されやすく、不明瞭になることが多いです。
主語や目的語に注意を払い、ちゃんと意味が伝わるかどうかを意識して文章を書きましょう。

4つ目のポイントは、視覚的に見やすい工夫をすることです。
例えば、重要な部分を太字にしたり、図表を挿入して説明をしたりなどの工夫が挙げられます。

5つ目のポイントは、全体のボリュームのバランスを取ることです。
章や節によって、極端に文章のボリュームの差が生じているのであれば、バランスを整えるために区切ったり、一緒にしたりして調整してみましょう。

□まとめ

今回は、書籍の原稿の種類や作成の流れ、そのポイントについてご紹介しました。
今回ご紹介した情報を参考に、自分に合った原稿の種類を選んで、書籍の原稿を作成してみてはいかがでしょうか。