会社を設立した方に向け規定集の必要性と作り方をご紹介


会社を設立するにあたり、規定集を作ろうか迷われている方はいませんか。
実は規定集の役割は、会社を効率的に回すだけではありません。
そこで今回は会社設立時に必要になるものと、規定集の必要性・作り方について紹介します。

□会社の設立時に必要になるものとは?

まず会社の設立前に用意しておきたいものとして、以下の項目が挙げられます。

・企業のロゴ
・名刺
・会社のホームページ
・営業用の資料
・経営管理の体制
・会社の概要を記したチラシ
・挨拶状

そして会社設立後には、以下の項目が必要になります。

・各種契約書
・法人用の銀行口座
・法人用のクレジットカード
・オフィスもしくはコワーキングスペース

特に最後のオフィスに関しては、会社設立前後の資金繰りの問題で用意することが難しいと感じる方も多いでしょう。

そんな方には、

・自宅の一部をオフィススペースにする
・コワーキングスペースを活用する
・シェアオフィスを活用する
・レンタルオフィスを活用する

などの方法がおすすめです。

□会社の規定集の作成をおすすめする理由について

ここまで会社設立前後に必要になるものについて紹介しましたが、これらに加えて、会社設立前後に会社の規定集を作成することをおすすめします。
ここからは会社の規定集に焦点を当て、なぜ規定集がおすすめなのかについて紹介します。

おすすめする1つ目の理由は、社員とのトラブルを回避できることです。
就業規則を作ることで、客観性のある労務管理ができるようになります。

例えば社員に対し給与引き下げや懲戒処分をするケースでも、あらかじめ就業規則にルールとして定めておけば、会社と社員との間にトラブルが発生するリスクを軽減できます。

規定集をおすすめする2つ目の理由は、社員の抱える会社に対する不公平感を防ぐ役割があることです。
会社の規定集が無い場合、社員からの要望があった場合にはその度に会社が判断・対応することになります。

しかしいつでも客観的かつ公正な判断ができるとは限らず、対応に差があった場合は社員の会社に対する不平感が募ることになってしまいます。
社員が会社に対し不平感を抱くと、モチベーションの定価や離職に繋がってしまいます。

そのため、規定集で客観的なルールを定めておくことで、社員の取り扱いに差が出ることを防ぎ、公正な労務管理ができるようになります。

規定集をおすすめする3つ目の理由は、助成金の申請が可能になることです。
厚生労働省は企業に対し、様々な助成金を付与しています。

助成金を付与する条件としては、

・社員の職業能力開発に取り組んでいる
・社員の雇用を促進している

などの条件が挙げられますが、加えて「就業規則を作成している」ことがほとんどの申請で受給要件になっています。

就業規則を制定しないと助成金が受けられない場合も多いですので、会社を設立するタイミングで会社の規則を作成することをおすすめします。

□規定集の作り方をご紹介

最後に会社の規定集の作り方を、段階に分けて紹介します。

*規定集の内容を検討する

会社の規定集に載せる内容は、会社によって異なります。
自社にとってどんな規定を盛り込むのが良いのか、社内規定にする内容を最初に検討するようにしましょう。

社内体制をどうしたいのか把握したうえで、あいまいなルールや非効率な業務が生じないように規則を検討します。
この際、規定集の内容に重複点や相違点が無くなるように注意しましょう。

*関係部署と内容を調整する

内容がまとまったら、規定をカテゴリー分けし、そのカテゴリーの関係部署と内容を調整する段階に入ります。
専門部署の意見を取り入れながら内容を決めていくことで、正確かつ緻密な規定集が作れます。

就業規定に関する項目は、全従業員が影響を受けることになります。
正式な制定前に従業員の意見を取り入れ、働きやすい環境を作ることを意識するようにしましょう。

*専門家による確認

基本的に社内規定は従業員の合意なく一方的に決めることができますが、法律に反した内容を定めることはできません。
そのため規定集を作成したら、専門家に法律違反がないか確認してもらうようにしましょう。

また、外部の専門家による客観的な指摘は、規定集に潜むリスクを軽減することに繋がります。
作成内容に問題はないか、重要な内容が漏れていないかなどを専門家に確認してもらうことをおすすめします。

*規定集を社員に周知させる

せっかく規定集を作っても、社員がそのことを知らなければ意味がありません。
規定集が完成したら社員に周知させ、従業員がいつでも確認できるような体制を整えましょう。

また規定集運用後の注意点として、もし規定集の内容を更新した際は、必ず社員にその旨を報告するようにしてください。

□まとめ

今回は会社設立時に必要になるものと、規定集の必要性・作り方について紹介しました。
会社の規定集を作ることで助成金の受け取りや、効率的かつ公平な労務管理が可能になります。
規定集を冊子にする際は、ぜひ当社をご活用ください。