学会誌・セミナー資料・カタログでの原稿の作り方のポイントを解説


学会誌やセミナー資料、カタログを作るとなると、自分の伝えたい情報が適切に読み手に伝わるかが不安なところですよね。
今回は学会誌やセミナー資料をより読みやすいものにするために気を付けたいポイントについてご紹介します。

□学会誌の原稿づくりのポイントとは?

読みやすい冊子にするには、本文の内容に応じ適切な余白や行間を挟むことが大切です。
レイアウトのポイントは、中綴じでも無線綴じでもページ上部の余白を十分に取ることです。
余白をしっかりととれていれば全体的に落ち着いた印象になります。

また、無線綴じの場合はページ数が増えるほどのど側が開きにくくなるので、注意が必要です。
ページ数に合わせてのどの余白を取るようにしましょう。

中綴じの場合は用紙を重ねるため、折ると内側のページの小口がせり出してしまいます。
そして、製本の工程で最終的に小口側は断裁されるため、小口側の余白確保はしっかり行いましょう。
内側のページにいくほど文字のようなデータがきれいに印刷できない可能性が高いです。

□セミナー資料の作り方で意識するポイントとは?

主なポイントは3つあります。
1つ目に、セミナー後の参加者の到達目標を明確にしましょう。
セミナーの成功には、セミナー前後で参加者にどう変わってもらいたいかを意識することが大切です。
そのため、ターゲットである参加者の属性、すなわち年齢や性別、職業などをできるかぎり詳細に調べましょう。

そして参加者が必要としている情報は何かを把握した状態で資料を作成していく必要があります。
もしセミナーに外部講師を招く場合は、主催者との打ち合わせをしっかりと行い、事前にセミナーに対する目標意識のすり合わせを行っておきましょう。

2つ目に、参加者にとって分かりやすい内容であるか確認しておくことです。
専門用語ばかりを並べてしまうと、せっかくの参加者を置いてけぼりにしてしまうことになります。
予備知識をあまり持っていない参加者にも理解してもらえるように、できる限り平易な表現を使うようにすると良いです。
教える側としてだけではなく、参加者としての視点を持つことも欠かせません。

3つ目は、伝わりやすさ重視のデザインにすることです。
思わず目が引き付けられるようなデザインも良いですが、セミナー資料においては伝えたいことが的確に伝わるようなデザインにすることが何より重要でしょう。
では伝わりやすいデザインにするコツとは何でしょうか。

まず、フォントを読みやすいものにしましょう。
フォントの読みやすさで、伝わりやすさは大きく変化します。
視認性や判読性、可読性といった観点から、どのフォントが最適か考えると良いです。

おすすめのフォントはメイリオです。
読みやすく太字にも対応しているため強調箇所が分かりやすいのが他との違いです。
Windows VISTA以降に標準搭載されているので、セミナーの際に自分のPCが使えなくともフォントの崩れの心配をする必要がないでしょう。

フォントの種類を決めたら、今度はサイズにも気を配るといいですね。
プロジェクター投影をする場合は後ろの席の人にも配慮してリハーサルを行っておくとより伝わりやすいです。

次に、配色にある程度の一貫性を持たせると良いです。
資料で使う色は3色以内に抑えるのがポイントです。
使用する色が多すぎてしまうと、何が重要なのかわからず混乱してしまいます。
背景は基本的に白で、文字の色は黒かグレーにしましょう。
それ以外の色はメインカラーとアクセントカラーの2色で統一すると見やすくなります。

最後に、レイアウトの基本ルールに則りましょう。
オブジェクトの整列、十分な余白、位置関係でのグルーピングが大事です。

□カタログの原稿づくりのポイントとは?

まず、掲載する情報を整理しておきましょう。
何を一番に伝えたいかを考え、あれもこれもと情報を詰め込み過ぎないようにしなければなりません。
情報整理を行うことで、すっきりとしたカタログになります。

次に、デザインの方向性のイメージを決定します。
仕上がりのイメージの方向性をすり合わせるために、実際の他の印刷物やWEBサイトなど、参考になるものをたくさん集めておくと良いです。
イメージの明確化が重要ですね。

そして、優先順位を可視化するようにしましょう。
レイアウトには伝えたい情報の優先度がそのまま反映されます。
制作側に情報の優先度が伝わるように、簡単なものでよいのでイメージラフのようなものを書いて見せると良いです。

最後に、ページネーション、すなわちページの送り順にも注意が必要です。
どのページにどんな内容を入れるかということを細かく決定していきます。
冊子の場合、印刷の仕組み上、表紙含む全てのページ数が4の倍数にならなければならないことも留意しておきましょう。

□まとめ

読みやすい学会誌、セミナー資料、カタログ原稿の作り方には外せないポイントがいくつかあることが分かりますね。
思わず読み込んでしまうような魅力的な冊子を作る際にはぜひこれらのことに注意してみて下さい。