イラストレーターで原稿を作る方法は?作り方と入稿前の確認事項を紹介します



様々な機能があるイラストレーターは、デザイン職についている方から大きな支持を得ています。
しかし、ただのイラストの作成だけでなく、文字も使用できるため、原稿の作成にも利用されています。
そこで今回は、イラストレーターを用いた原稿の作り方とともに、入稿前の確認事項を紹介します。

□イラストレーターを使った原稿の作り方を解説します

イラストレーターを使った原稿の作り方として、大まかに6つのやることがあります。

1ステップ目に、初期設定です。
初期設定でやることは1つで、ドキュメントをCMYKのカラー設定にすることです。
RGBで作成した場合に比べ、イメージした色よりもくすむことがなくなります。
もしテンプレートがある場合、そちらを利用して作成することをおすすめします。

2ステップ目に、トリムマークの作成と塗り足しです。
トリムマークとは、印刷時の印刷で刷る位置を確定し、色を刷る位置を合わせるための目印のことです。
トリムマークは、メニューバーの「オブジェクト」から「トリムマークを作成」で作成できます。

また、断ち切りデザインは、印刷した際のズレによる余白を無くすため、仕上がり線の外まで塗り足すことです。
断ち切りデザインは3ミリの塗り足しで万が一を防げます。

3ステップ目に、ロック・非表示設定の解除です。
イラストレーターには、レイヤーのロックやオブジェクトのロック、非表示を設定でき、その設定を解除しないとオブジェクトの選択と編集ができません。

オブジェクトをロック解除するには、MacBookの場合、「command+option+2」のキーを同時に押し、Windowsの場合、「Ctrl+Alt+2」のキーを同時に押します。
また、オブジェクトの非表示解除をするには、MacBookの場合、「command+option+3」のキーを同時に押し、Windowsの場合、「Ctrl+Alt+3」のキーを同時に押します。

4ステップ目に、フォントのアウトライン化です。
アウトライン化とは、文字のフォントをオブジェクト化することであり、これにより、他のパソコンでダウンロードした場合のフォントの置き換わりが防げます。
フォントを全選択した後に、メニューバーの「書式」から「アウトラインを作成」でアウトライン化できます。

5ステップ目に、画像ファイルの準備と設定です。
画像のカラースペースをCMYKに変更し、解像度を300dpi以上にします。

6ステップ目に、余分なオブジェクトの削除です。
メニューバーの「選択」から「オブジェクト」、「孤立点」で選択でき、何も入力されていない空のテキストオブジェクトを削除できます。

□入稿前によくある不備は?

多くの方がミスを起こしやすい、よく発生する3つ不備を紹介します。

1つ目に、アウトライン化不足です。
アウトラインが完璧にされていないと、異なるフォントに置き換わります。
レイヤーやオブジェクトがロックされているままだと、アウトライン化されません。
必ずすべてのロックを解除し、アウトライン化してください。

2つ目に、画像不足です。
イラストレーター上に配置した画像データは、リンク形式のものであり、フォルダの同階層に、イラストレーターのファイルと画像自体を保存する必要があります。
もし同階層にこの2つが無い場合、画像リンク切れという状況になってしまいます。

3つ目に、サイズ違いです。
注文内容と異なるサイズで入稿された場合や、同じサイズでもトリムマークが正しく定められていない場合、印刷できません。
サイズの確認は、そもそものサイズが異ならないかと、トリムマークの位置が正しいか確認してください。

□入稿時に必要なトリムマークの作成方法を紹介します

上述しましたが、トリムマークについて改めて解説します。
トリムマークとは、印刷物を仕上げる際に、サイズを確定させるための断裁位置を示すマークのことで、入庫する場合に必要な知識の1つです。
トリムマークを作成する方法は主に3つあり、お好みの方法をお試しください。

1つ目に、イラストレーターファイルで入稿する場合です。
まず、仕上げサイズと同じ四角形を作成します。
左側にあるツールバーの「長方形ツール」を選択することで、印刷するものと同じサイズを指定できます。

次に、トリムマークの作成を実行します。
上部にあるメニューバーの「オブジェクト」から「トリムマークを作成」を選択することで、生成されます。

最後に、アートボードのサイズを調整します。
トリムマークが生成されたままの状況だと、アートボードが含まれていないことが多いです。
そのため、左側のツールバーから「アートボードツール」を選び、「オブジェクト全体に合わせる」を選択することで、トリムマークの調整が完了します。

2つ目に、効果でトリムマークを作成する場合です。
まず、仕上がりサイズの四角を選びます。
次に上部にあるメニューバーの「効果」から「トリムマーク」を選びます。
これだけでトリムマークが生成され、トリムマークの調整もなされています。

3つ目に、PDF形式で入稿する場合です。
まず、仕上がりサイズとアートボードサイズを一致させます。
PDF形式で入稿する場合には、仕上がりサイズとアートボードサイズを一致させるために、コントロールパネルから、定型サイズを選択することで、2つのサイズを合わせられます。

次に、メニューバーより「別名で保存」を選択します。
この選択をすることで、今まで作成したものがPDF形式に変換されるのを防ぎます。

その後、モーダルウィンドウが出現するため、「Adobe PDF(pdf)」を選択して「保存」を選択することで、PDF形式で保存できます。
また、PDFの形式は、確認していただくことがおすすめですが、一般的な形式の「PDF/X-1a」を選ぶのが良いです。

他にも、トリムマークの裁ち落としをする必要があり、PDF形式を選択するウィンドウから「トンボと裁ち落とし」を選んだ後に、「トンボ」にチェックを入れます。
裁ち落としの設定では、「天・地・左・右」の上下左右についての項目を3ミリに設定します。

最後に、PDFビュアーによってトリムマークが正確に反映されているか確認ができるため、必ず最終確認をしましょう。

□まとめ

今回は、イラストレーターを使った原稿の作り方と入稿前のチェック項目を紹介しました。

イラストレーターを使って原稿を作る場合、6つのやるべきことがあり、それらの設定をすることで、作業効率を大幅に向上できます。
また、入稿前のチェックを怠ってしまうと同じ作業を繰り返してしまう可能性があるため、こちらの記事を参考に確認してください。