商業出版物と自費出版物の違いについて解説します


商業出版物と自費出版物に違いがあるのはご存じでしょうか。

字を見て、大体の予想がつく方がいらっしゃるかもしれませんが、その違いについて詳細を把握されている方はそこまで多くはないでしょう。

今回は、その商業出版物と自費出版物の違いを解説します。

是非ご覧ください。

□商業出版物とは

商業出版物とは、出版社が読者に書籍類を購入してもらうことを目的とし、本を出版することを指します。

出版社側では普通に「出版」と呼びますが、世間では自費出版との対比で、「商業出版」と呼ばれることもあります。

商業出版に関わっている全ての費用は出版社が負担します。

他の出版スタイルと明確に違う点とはどのようなものなのでしょうか。。

自費出版や企業による出版と明確に違うのは、コストが出版社負担で、その分の損得を全て、出版社自身で負っているということです。

売れれば利益が発生し、売れなければ不良在庫となるようなリスクを商業出版では出版社が負います。

この場合、著者などはお客様には該当せず、投資先扱いになります。

他にもまだまだ特徴があるので、確認していきましょう。

まずは、商業出版の仕組みです。

商業出版のお客様は読者になります。

そして目的は、読者に対して価値を提供し、その代価としてお金を支払ってもらうことです。

では、具体的に読者に対する価値というのはどういったことなのでしょうか。

以下で詳しくご紹介します。

読者に対する価値というのは、「面白さ」、「役立つ」、「感動」、「笑い」、「暇つぶし」といったもので、読者が必要とするニーズとイコールになります。

ここをいかに満たせるかで、商業出版が成功と終わるのか、その逆の結果として終わるかの分かれ目になります。

本が売れることにより、メディアにその本の内容が取り上げられて、その内容に関する分野の人気にも火がつくようなこともありますが、そういったことはあくまでも商業出版においては二次的な目的に該当するので、その点は押さえておいてくださいね。

商業出版における主な著者は基本的には著名な方が多くなります。

なぜなら、先ほども述べたように著者は投資先になるからです。

一般的には知られていない人に見えても、実はその分野ではとんでもない有名人ということが圧倒的に多いです。

□自費出版とは

それでは、自費出版とはいったいどういったものを指すのでしょうか。

自費出版とはその名の通り、出版に関わる費用を全て著者が負担する出版形態のことを指します。

この自費出版は、出版社が商品として本を売って利益を得るような商業出版とは違い、著者が費用を出すので、売れなくても出版社には損失が出ません。

この点が、自費出版の特徴と言えるでしょう。

自費出版を細分化するといくつかのタイプに分けられます。

ここではそれぞれの特徴について確認していきましょう。

まずは個人出版です。

私家本出版とも言われている出版形態で、ISBNコードを添付せず、また書店などにも流通させることありません。

また、著者の親族などの限定された範囲に配布されて、書籍を作成することを個人出版と言います。

例えば、自分史などのバイオグラフィや写真や短歌などの作品集が、個人出版で出ていますよ。

自費出版にはカスタム出版というものもあります。

出版にかかる費用は著者が負担して、編集や販促活動は出版社が行います。

契約内容によって、どこまで出版社が協力するのかということが異なる場合もあるので注意してください。

このカスタム出版を流通出版、協力出版、共同出版と呼ぶこともあります。

これらはネットや書店で販売されることが多いです。

オンデマンド出版はご存じですか。

データさえあれば出版社を介して高額な費用を出す必要もなく、お手軽な価格で自分の本を出版できるというサービスです。

Amazonなどもこういった取り組みを始めていて、誰でも気軽に使えるサービスなので、もし個人で本を出版して販売してみたいという方にはおすすめの方法かもしれません。

必要な部数だけを印刷して、製本し、紙の書籍を販売できるので、まさにオンデマンドと言える出版形式になっています。

□商業出版と自費出版の違いについて

上記で商業出版と自費出版のそれぞれの特徴を解説してきたので、もう違いにお気づきかもしれませんが、ここではその両者の違いについて、まとめて解説します。

まず自費出版では製作費は著者が負担する反面、商業出版は出版社が出します。

自費出版はものによりますが、書店での販売はほとんどないのに対し、商業出版は書店での販売があります。

販促活動については、契約次第で自費出版でも執り行ってもらえるようになるでしょう。

商業出版は販売活動をしてもらえます。

自費出版ではお客様は著者になるのに比べて、商業出版のお客様は読者になります。

このように違いがあるので、是非押さえておいてくださいね。

□まとめ

今回は商業出版と自費出版の違いについて解説しました。

是非参考にしてみてください。