歌集を手作りするには?短歌の作り方から紹介します!


短歌を作ったことがある、という方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
短歌を作る、と聞くと何となくハードルが高い感じがしますよね。

しかし、手順を理解すると意外に簡単に作れるのです。
そして短歌を作れたら、せっかくなので歌集を手作りしてみませんか。
今回は、短歌を作る手順と、歌集の作り方を紹介します。

□まずは短歌を作りましょう

ここでは、短歌を作るときの手順を紹介します。

・テーマを決める
・「気持ち」を切り取って、伝えたいもの・ことを決める
・五七五七七の形に当てはめて読んでみる
・言葉を変えて調整する
・独特の技法や季語を取り入れる

まずは、テーマを決めます。
基本的にはどんなテーマでも大丈夫です。

人間関係や趣味、日常生活での気づきなどがよく読まれるテーマです。
人間関係であれば家族や恋人のこと、趣味であれば好きな映画のこと、日常生活での気づきであれば天気やいつも通る道のことを題材にすると書きやすいでしょう。

次に、短歌でどんな気持ちを伝えたいのかを決めます。
嬉しいのか、悲しいのか、切ないのか、悩んでいるのか、など、選んだテーマに対して自分がどういう感情を抱いたのかを思い出して言語化します。

テーマと伝えたい感情が決まったら、短歌の基本形である五七五七七に当てはめてみましょう。
合計が31文字になっていれば、多少形が崩れても問題ありません。
1つのテーマを深掘りしていくことで、歌のオリジナリティが出せます。

一気に短歌を考えるのが難しい、という方は、まずは思いついた単語をどんどんメモするところから始めましょう。
完成形を一回で考えるのは難しいですが、思いついた単語をつなげていくことで短歌が読めるようになるはずです。

そして、選んだ単語に違和感がある場合は、言葉を変えてみましょう。
多少言い回しを変えるだけで、語呂がよくなったり、文字数が収まるようになったりします。
似たような言葉を思い浮かべ、ニュアンスを調整していきましょう。

例えば、考えると想起する、試みると挑戦するなどがあります。
他にも類語辞典にたくさん言い換えのパターンが載っているので、参考にしてみてください。

ここまででも短歌は完成します。
より本格的な作品にしたい、という方は、表現技法や季語を取り入れてみましょう。

取り入れやすい表現技法の1つに「切れ字」があります。
歌の区切れ部分に切れ字を置くことで、注目してほしい部分を強調できます。

よく使われる切れ字は、「や」「かな」「けり」の3つです。
「や」は短歌の途中で入れられることが多いです。
強調したい名詞や、呼びかける相手の後に付けると効果的です。

「かな」と「けり」は短歌の最後に入れられることが多いです。
「かな」は、余韻を残したいときや、もやっとした晴れない気持ちを表現したいときに使います。
また、「けり」には断定の意味合いがあるため、過去の出来事の紹介に使いやすいでしょう。

他にも、俳句のように季語を入れるのも良いでしょう。
お花見やクリスマスなど、イベントごとをテーマにした場合は季語のような扱いにもなり、情景が伝わりやすくなります。

□歌集を手作りするときのポイントを紹介

短歌をいくつか作ったら、歌集にしてみましょう。
歌集を作るときのポイントを2つ紹介します。

*製本サイズを先に決める

歌集の原稿を作るときには、事前に製本するサイズを決めておき、そのサイズに合わせて原稿を作成しましょう。
原稿作成後にサイズを変更することも可能ですが、先にサイズを決めておくことで完成イメージを持ちながら作成できます。

歌集で一番よく使われるサイズはA5サイズです。

*レイアウトやデザインを考える

せっかくオリジナルで歌集を作るなら、そのレイアウトやデザインにもこだわりたいですよね。

空白の取り方や文字の並べ方で世界観や印象を変えられます。
表紙のデザインを自分で描いた絵や自分で撮った写真にするといった工夫で、より自分の世界観を表現できます。

□歌集にぴったりな製本とは

内容やレイアウトを決めたら、いよいよ製本します。
歌集には、和を感じられる用紙を使うのがおすすめです。
代表的なものに、マーメイドやレザックなどがあります。
また、色に関しては、すみれ色や藤色、からし色など、優しい色を採用するといいでしょう。

そして、製本方法は無線綴じ、本のサイズはA5かB6がおすすめです。
無線綴じは背表紙があるため、丈夫で美しい仕上がりになります。

本の装丁には、見返しを付けるのもおすすめです。
見返しとは、表紙の裏に張り付けられる別の紙です。
見返しがあるとより高級感のある歌集になります。

□まとめ

短歌は、テーマや伝えたい感情を決め、言葉の使い方を工夫しながらニュアンスを調節することで簡単に作れます。
また、もう少し本格的な短歌にしたい、という方は切れ字や季語を取り入れてみましょう。

レイアウトや表紙のデザイン、製本時に使う用紙までこだわると、より自分の世界観を表現できる歌集になります。