会社に規定は必要?規定集の作り方と注意点を紹介します


社内規定とは、いわゆる会社内で共通のルールのようなものです。
社内規定の内容としては、企業理念やハラスメントを防止するための規定などがあります。
今回は、規定を設けるメリットと規定集の作り方、近年多く取り入れられている規定について紹介します。

□会社に規定は必要?設けるメリットを解説

社内規定は設ける必要があるのか。
ここでは、既定を設けるメリットを2つ紹介します。

1つ目は業務を標準化・効率化できることです。
業務のやり方が社員ごとで異なると、社員によって業務スピードが変わったり、ミスの発見が遅れたりしてしまいます。

そこで、仕事の統一的な手順を社内規定として明文化することで、業務を標準化できます。
業務が標準化できれば、無駄を省けて効率化にもつながります。

2つ目は、リスク防止につながることです。
ソーシャルメディアの利用に関する規定や、ハラスメントを防止するための規定がリスク防止につながります。

インターネットの利用が当たり前になっている現代では、社員の不祥事がインターネット上で炎上し、会社の倒産につながることも。
規定を定めることで、リスク防止を図りましょう。

□会社の規定集はどう作る?作成の流れと注意事項

では次に、規定集を作る流れを見ていきましょう。
5つのステップに分けて紹介します。

*責任者を決め、既存の規定を収集する

まずは、規定集を作成する総責任者を決めます。
そして、現在各部署や課で使われている規定集やマニュアルを収集します。

*規定の仕分け

次に、集めた規定を分類していきます。
この時に、新設すべき項目や、新たに作る規定集には既定として取り上げない項目なども考慮して分類するようにしましょう。

*スケジュール作成

規定作成のスケジュールを組みます。
この時、各部門との連携や全体の整備などを考えてスケジュールを組んでください。

*規定集の作成

スケジュールが決まったら、実際に規定集の作成に取り掛かります。
分類した規定の詳細を各部門と連携しつつ調整し、リモートワークに関する規定といった社会情勢に合わせたものを新設しましょう。

人事に関すること、総務に関すること、というように、カテゴリーによって関わる部門が異なるため、それぞれとの連携をしっかりとるようにしましょう。

規定集は、主に6つのカテゴリーに分けられます。

・定款や企業理念など、会社の運営に関する規定
・組織図や組織権限に関する規定
・給与や就業規則など、人事労務に関する規定
・文書の取り扱いなど、総務に関する規定
・経理や在庫管理など、業務に関する規定
・ハラスメント防止やテレワークなど、その他の規定

各カテゴリーの詳細は、専門部署の意見を聞きつつ作成しましょう。
また、重要事項が抜けていた場合、リスク防止という役割を果たさなくなってしまいます。
万が一、作成後に不安な点がある場合は、専門家に内容を確認してもらうことをおすすめします。

*決議・発表・周知

規定集が完成したら、取締役会で決議がされます。
その後社内で発表し、社員に周知させていきましょう。
規定集の設置場所を知らせたり、インターネット上でも閲覧できるようにしたりすると、うまく周知できると思います。

また、社内規定は一度作成して終わりではありません。
実際に使っていく中で変更すべき点や追加すべき項目が出てくるでしょう。
定期的に見直しのタイミングを作り、更新していきましょう。

□近年多くの会社が取り入れている規定を紹介

近年注目されている規定を3つ紹介します。
今後規定を作成されるときの参考にしてください。

1つ目は、副業・兼業に関する規定です。
近年、副業や兼業をやりたいと考える方が増えてきています。
副業や兼業は労働時間外の活動にあたるため、企業が決まりを押し付けられません。
そのため許可制にしたり、本業に支障が出る場合は禁止にしたり、規定として定めるといいでしょう。

2つ目は、SNSに関する規定です。
現代では、個人が手軽にSNSで情報発信ができます。
自由に発言ができる分、SNSを使うことによるトラブルも増加しています。
従業員が何気なく発信した情報が会社の損害になってしまうケースもあります。

SNSでのトラブルが発生しないよう、会社として規定を設け、会社と従業員の両方を守っていきましょう。

3つ目は、テレワークに関する規定です。
多様な働き方が求められている中、テレワークに関する規定を設ける会社が増えてきています。
労働時間の管理方法や業務をどう行うのか、通信費や光熱費に関することなどを項目として入れるといいでしょう。

また、テレワークが拡大することで通勤回数が減るため、交通費に関する規定の改変や削除も同時に検討しましょう。

□まとめ

規定を設けることで、業務の標準化・効率化につながり、また、会社のリスク防止にもなります。
規定集を作成するときは、各部署と連携を取りながら作成していきます。
また、テレワークに関する規定やSNSに関する規定など、社会情勢を考慮した規定を追加していきましょう。